今日は、アーティスト、歌手、アイドルグループ、俳優などが日本で興行活動をするとき一緒に来日するスタッフさんの興行ビザ申請の流れを説明します。
　スタッフさんは、マネージャー、スタイリスト、ヘアメイク、演出家、コレオ、ライティングディレクターなど、本体者たる外国人が興行活動を行うために必要不可欠な人たちです。

　アーティストの活動内容が①デジタル写真集の撮影、②雑誌インタビュー、③テレビ出演をする。アーティスト本人は、本国でいつも一緒に働いている気心の知れたアーティストスタッフの同行を希望しているケースを例にします。

【来日スタッフの情報】
スタッフさんが日本で行う活動内容がアーティストの興行活動と不可分一体であるかの検討、場合によってはスタッフさんの本国での活動実績も検討する

【招聘機関】
招聘機関の安定性、継続性、収益性、外国人の労務管理体制、招聘に至る経緯の検討

【出演先の書類】（アーティストの招聘資料を転用）
取材依頼書、企画書、スタジオ利用に関する書類、施設利用許可書など

◆申請⇒来日⇒帰国までの流れ

1.アーティストの興行活動、芸能イベントの企画立案
活動内容の検討と決定

2.来日スタッフの人選と基本データの入手
パスポート身分ページ、証明写真（撮影3か月以内で4㎝×3㎝）の手配
職業、本国の出身地や居住地、日本の滞在歴、犯罪歴、在日親族などの情報を入手

3.興行契約の締結（アーティストの契約書を転用）
先方とギャラ、活動内容、滞在予定日数、支払条件など協議し契約を締結する

4.活動内容に応じた書類準備、関係各所から取り寄せ（アーティストの書類を転用）
会社概要、決算書、出演施設の図面、施設利用承諾書など

5.入管申請書の作成
書類準備と並行して、入管に提出する申請書と付属書類の作成

6.書類作成が完了次第、入管で申請をする
入管の開庁日は、平日9時～16時です。

7.入管から追加資料を求められたら、速やかに対応をします。

8.結果の受領
在留資格認定書が送られてきたら、本国に郵送（直接外国に持参、EMSやDHLで送る）
更新申請と変更申請は入管から葉書が郵送されてくる

＊不許可の場合⇒希望すれば入管で不許可理由の聞き取りができます

9.本国での手続き
日本大使館、領事館に日本から送った在留資格認定証明書の原本、本人パスポートなどを
提出する。予め、申請から受け取りまでに要する日数を確認してください。

10.来日
入管に提出したスケジュールに従って興行活動、芸能活動を行う

11.帰国又は興行ビザ更新
スケジュールが終わったら、スケジュールに従い帰国。あるいは、日本滞在中に次回スケジュールが決まり、申請書類一式が準備できればビザ更新可能なケースもある

　ビザでお困りの方、興行ビザ、芸術ビザ申請で不安のある方、ホームページをご覧いただいているすべての方、拝読いただきありがとうございました。この記事が皆様のお役に立つことを願っています。

　皆様と行政書士で力を合わせ、問題を乗り越えましょう。

第5号
2021年（令和3年）7月17日
執筆者　行政書士　佐藤正文