滞在期間中に一旦海外出国して、再度日本で興行活動をするとき、入管で再入国許可を取得します。再入国をとらずに出国すると、出国と同時に興行ビザは失効します。興行ビザを無効にしないために、必ず出国前に入管で再入国許可を取ってください。実務上は、興行３か月許可の場合に再入国許可をとる例が多いです。

再入国許可申請では印紙代（1回限りの再入国許可（シングル）3,000円、数次の再入国許可マルチ6,000円）が必要です。予め郵便局で購入しておきましょう。

再入国許可申請書のあて先
・申請先の出入国在留管理局長名を記入します。
例1）東京入管で再入国申請⇒「東京」出入国在留管理局長殿
例2）名古屋入管静岡出張所で再入国申請⇒「名古屋」出入国在留管理局長殿

項番1/国籍・地域
・外国人が所持しているパスポートの国名を書きます。
・中華人民共和国/中国、大韓民国/韓国はどちらの書き方もOKです。
・アメリカ合衆国/USA/米国　アメリカはNG
・台湾は台湾でOKです。
・香港の場合、香港特別行政区のパスポートは中国（香港）、中国（HK）と記載します。
・香港人でBNOパスポート（British National Overseas）で入国している場合、申請書では英国（香港）と書きます。
・パレスチナ暫定自治政府のパスポートはパレスチナです。

項番２/生年月日、項番3/氏名、項番4/性別
・パスポートどおりに書いてください。

項番8/在留カード番号
・在留カードが発行されてない場合、「なし」、「未発行」など

項番11/出国予定年月日・港、項番12/再入国予定年月日・港
・出国予定日と入国予定日です。出入国の時に利用予定の日本の空港名を書きます。

項番13/希望する再入国許可
・許可されている滞在期間中に有効な再入国許可の回数です。

・1回限りの再入国許可は1往復有効です。1回出国して、再度日本に入国したら効力がなくなります。

・数次の再入国許可は、許可期間中何度でも出入国を繰り返せます。例えば3か月許可の場合、5回日本と外国を行き来しても興行ビザは失効しません。

項番14/犯罪を理由とする処分を受けたことの有無（日本国外におけるものを含む）
項番15/確定前の刑事裁判の有無（日本国外におけるものを含む）

この2つは、本人から状況を聞き取る必要があります。在留諸申請との整合性など申請に不利になりそうな理由が存在する場合、理由書や裏付け資料を準備するなど入管に丁寧な説明をするようにして下さい。

この記事が皆様のお役に立つことを願っています。
お客様と行政書士で力を合わせて、一緒に問題を乗り越えましょう。

第58号
2021年（令和3年）9月21日
執筆者　行政書士　佐藤正文