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外国人の収容案件(その2)

2021年8月10日、名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性が亡くなった事件について、入管は最終報告書を公表しました。報告書が出て詳細が分かりましたので追加で文章を書きます。

在留特別許可(在特)、DV被害、仮放免など許可基準に達しないと入管は許可を出しません。この方の場合、オーバーステイになって警察に出頭して入管送りになっています。オーバーステイを正規在留にするには、①在留特別許可を得る、②一旦出国して再入国する、の2つしかないです。

オーバーステイになり入管に収容された経緯、その後の対応等から在特と仮放免をとるのは相当難しい印象を持ちました。仮放免は入管に収容されている外国人の収容を一時的に解除して外に出だす申請ですから、種々の条件が満たされないと許可されません。また、仮放免が許可になっても在特が許可されない限り正規在留になりませんから、仮放免と在特をセットで考えます。支援者の方々は正規在留に戻すための戦略と仮放免をどのように考えていたのでしょうか。

ご本人は2度仮放免の申請をして、2度目の仮放免申請で入管は仮放免を出す方針だったようです。しかし、2度目は病状が悪化した時点で仮放免申請ですから、時すでに遅しの印象があります。

入管では収容中の外国人のハンガーストライキや死亡事件が時々起こります。そして、入管は大きな組織ですから、組織の理屈が優先します。仮放免も在特も国家権力との戦いですから、戦いに負けたときのダメージもよく考えて行動すべきです。収容案件では、入管に身柄を取られていますから内部で何が行われているかは不透明です。従って、引き続き滞在を希望する場合には慎重に進める必要があります。

『佐藤正文の頭の中』では、佐藤正文の仕事への取組み、心構え、感想、日ごろ考えていることなど、つれづれなるままに、ひぐらしパソコンにむかい、心にうつりゆくよしなしごとを そこはかとなく書き綴ります。

第41号
2021年(令和3年)8月12日
執筆者 行政書士 佐藤正文

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